次の「 」内の語句のうち、品詞が他と異なるものはどれか。
(1)今朝はとても「寒かっ」た。
(2)お風呂が「ぬるけれ」ば、教えて下さい。
(3)彼女は「眠い」目をしていた。
(4)庭に「小さな」花が咲いていた。
(5)これでは「まずかろ」う。
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(解答・解説は本文中にあります)
今回は、形容詞を取り上げましょう。
形容詞は用言と呼ばれるものの1つです(用言には「動詞」「形容詞」「形容動詞」の3つあります)。
用言には以下に示す6つの活用形があります。
未然形、連用形、終止形、連体形、仮定形、命令形。
例えば「書く」という動詞の場合には・・・
☆書か(ナイ) <未然形>
☆書き(マス) <連用形>
☆書く <終止形>
☆書く(トキ) <連体形>
☆書け(バ) <仮定形>
☆書け <命令形>
となっています。
何となく覚えているような、記憶のどこかにある内容だと思います。
因みに、未然形と連用形の場合は、もう少し細かいことがあるのですが、今回ここでは触れません。
動詞の場合には、上の書か(ナイ) / 書き(マス) / …… というのは、何となく聞いたことがあると思うのですが、形容詞となると話は別です。
実際には中学校の国語の時間に習っているはずなのですが・・・
形容詞の活用形は次のように覚えます。
かろ / かっ・く・う / い / い / けれ / ○
最後の「○」は「まる」と読みます。それで、とにかく呪文のように
かろ / かっ・く・う / い / い / けれ / ○
かろ / かっ・く・う / い / い / けれ / ○
と何度も声に出して、暗唱します。
具体的に「小さい」という形容詞で確認しましょう。
☆小さかろ(ウ) <未然形>
☆小さかっ(タ)・小さく(ナル)・小そう(ゴザイマス) <連用形>
☆小い <終止形>
☆小い(トキ) <連体形>
☆小さけれ(バ) <仮定形>
☆○ <命令形>
<命令形>が○[まる]になりますが、これは「形容詞には命令形は存在しない」ということを表します。
とにかく、形容詞はこれですべてです。
ここまで確認をして冒頭の問題を確認することにしましょう。
答えは(4)になります。(4)の「小さな」は、上で説明した
かろ / かっ・く・う / い / い / けれ / ○
のいずれにも該当しませんので、形容詞ではありません。
(「小さい」花であれば形容詞です)。
(この「小さな」はちょっと難しいのですが「連体詞」と呼ばれるものになります)
残りの選択肢を確認しましょう。
(1)「寒かっ」は「寒い」の連用形
(2)「ぬるけれ」は「ぬるい」の仮定形
(3)「眠い」は「眠い」の連体形
(5)「まずかろ」は「まずい」の未然形
となっています。
せっかくですので、形容動詞も確認しましょう。
形容動詞は
だろ / だっ・で・に / だ / な / なら / ○
と覚えます。
具体的に形容動詞「静かだ」で確認してみましょう。
☆静かだろ(ウ) <未然形>
☆静かだっ(タ)・静かで(アル)・静かに(ナル) <連用形>
☆静かだ <終止形>
☆静かな(トキ) <連体形>
☆静かなら(バ) <仮定形>
☆○ <命令形>
<命令形>は○[まる]なので、存在しないということになります。
国語の文法は知識問題ですので、知っているか知っていないかです。
理屈をしっかりと押さえて、1つずつ身につけることがポイントです。
それでは夢の実現に向けて頑張っていきましょう!