(問)次の「 」の語のうち、品詞が他と異なるものはどれか。
(1)今日は昨日よりも「寒かっ」た。
(2)道ばたに「小さな」花が咲いていた。
(3)「眠い」ときには我慢しないで寝た方がよい。
(4)ピッチャーの投げるボールは「速けれ」ばいいというわけではない。
(正解・解説等は本文中にあります)
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ご存じの通り、一般曹候補生の学科試験の科目は、国語・数学・英語。
数学は数学Ⅰからの出題になりますので、該当する公式や例題を覚えることで、十分に対応することができます。
英語は出題数の半数以上が文法であることから、中学~高1の英文法をしっかりとマスターすることが、ベストな勉強法と言えます。
では国語はどうでしょう?
国語は、数学・英語以上にしっかりと過去問の傾向を踏まえた上で対策を立てていく必要があります。
国語の出題は15問あるのですが、そのうち文章題は現代文1問、古文1問。
実質2問しか出題されません。
そのため現代文は、過去問をやり出題形式に慣れれば十分です。
(時間があれば、対策問題をやれれば、なおいいです)
それに対して私がすすめている古文の対策は、「何もしないこと」。
勘違いされると困るので、もう一度繰り返しますが、古文のオススメの対策は「何もしないこと」です。
古文は「内容に合うものを選びなさい」的な問題が出されます。
古文の読解には、英語ほどではないものの、それなりの労力を要します。
それだけ頑張って、得られる点数は1点。
勿論、1点を大切にする気持ちはとても大切です。
であるなら、時間をかければかけた分だけ確実に点数になるものに労力をかけた方が効率的です。
一般曹候補生を目指す方の多くは、6月位から勉強を始める傾向にあります。
9月の試験まで、3ヶ月。
限られた時間の中で効率よく勉強をしていかなければいけません。
そのため、かなり時間をかけて1点とれるかどうかの古文に労力を使うよりも、その5分の1程度の労力で確実に加点できるものがあればそれに越したことはありません。
でも、そんな虫のいい分野はあるんでしょうか。
答えは、あるんです。
「文法」こそが、その「虫のいい分野」になります。
古文にかける5分の1程度の労力を文法に費すだけで、確実に3点をゲットすることができるんです!
(勿論、時間のある人は古文をやっていいんですよ)
国語の勉強では、文法は絶対に外せないんです。
対策としては高校入試用の問題集・参考書で十分です。
それを最低3回は繰り返し勉強をする。これで十分。
ここで、紛らわしい文法の問題を1問紹介しておきましょう。
(レベルは「応用」になります。)
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(問)次の「 」のうち、品詞が他と異なるものはどれか。
(1)今日は昨日よりも「寒かっ」た。
(2)道ばたに「小さな」花が咲いていた。
(3)「眠い」ときには我慢しないで寝た方がよい。
(4)ピッチャーの投げるボールは「速けれ」ばいいというわけではない。
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(解説は文末を参照して下さい)
最後に、漢字・語句について取り上げておきましょう。
国語は15問中、漢字・語句、慣用句・故事成語から7~8問出題されます。
そのため、漢字・語句の勉強もやっておかなければいけません。
でも何をどう勉強すればいいのか、ピンとこない部分でもあります。
そのためなのでしょうか、毎年、多くの志願者から
「漢字・語句はどういった対策をすればいいんでしょう。漢字検定だと何級がいいですか」
という質問を頂きます。
でも、残念ながら、漢字検定では適切なもの(級)はありません。
これは、一般曹候補生の漢字が小学校から高1までまんべんなく出題されているためです。
私のオススメは「国語便覧」です。
多くの場合、高校の副教材として、購入していると思います。
もし、手元にないのであれば、書店に出向いて自分にあったものを1冊用意するとよいでしょう。
国語便覧には紛らわしい漢字や故事成語、慣用句が一通り掲載されています。
あとは現代文の文章問題と同様に、過去問を通じて出題形式に慣れておくとよいでしょう。
その上で、「実戦問題集・一般曹候補生」のような対策問題集を通じて、より多くの問題に取り組めれば、鬼に金棒と言えるでしょう。
9月の学科試験まで3ヶ月。
短期決戦になりますが、慌てることなくコツコツ勉強を積み重ねていき、本番に臨んでいきましょう!
[解説]これは形容詞の問題になります。
形容詞は「寒い」「大きい」のように、「い」で終わります。
そして、未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形の順に
かろ/かっ・く・う/い/い/けれ/○
と覚えます。
例えば「寒い」という形容詞の場合
☆「寒かろう」という場合の「寒かろ」は未然形。
☆「寒かった」という場合の「寒かっ」は連用形。
☆「寒くなる」という場合の「寒く」も連用形。
☆「寒うございます」という場合の「寒う」も連用形。
☆終止形は「寒い」。
☆「寒いとき」という場合の「寒い」は連体形。
☆「寒ければ」という場合の「寒けれ」は仮定形。
☆命令形は存在しないので、便宜上「○(マル)」とします。
あとは、呪文のように
かろ/かっ・く・う/い/い/けれ/○
かろ/かっ・く・う/い/い/けれ/○
と何度も唱えて暗唱することになります。
ここまで解説したところで、解答を発表しましょう。
正解は(2)「小さな」です。
(2)以外はいずれも形容詞です。
かろ/かっ・く・う/い/い/けれ/○
のいずれかに該当しています。
そんなこと言っても、(2)「小さな」は、形容詞「小さい」と関係ないんですか、という疑問が生じます。
そうです、関係ないんです。
形容詞であれば、
道ばたに「小さい(=形容詞)」花が咲いていた。
となります。
でも、問題は
(2)道ばたに「小さな」花が咲いていた。
この 「小さな」は連体詞になります。
先ほど述べた
かろ/かっ・く・う/い/い/けれ/○
を思い出してみましょう。
形容詞の語尾に「な」は存在しません。
ですので、「小さな」は形容詞ではない。
でも、名詞(体言)を修飾するので、「連体詞」ということになります。