5月実施予定の一般曹候補生採用試験は、コロナの影響のため延期になっていましたが、先週末に日程が決まりました。
https://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/pdf/r2hoseisiken.pdf
おおむね7月上旬の土曜日に実施されるようです。
5月に向けてコツコツ勉強してきた人もいることと思いますが、ここ最近「自衛官の試験を受けようかな」と思い立ち、急ピッチで対策を立て始めている人もいるかと思います。
長年、一般曹候補生の受験生を見ていて言えるのは、数学は短期間でも一気に点数アップできるということです。
(一方で、英語はコツコツ勉強を積み重ねてはじめて、その成果が少しずつ点数に表れてきます。)
個人差もありますが、過去問で(15問中)3点位しか取れなかった人でも、1ヶ月間集中して勉強すれば、10点前後まで点数をアップさせることも可能です。
8月前半まで部活で忙しくしていた大学4年生の方が、お盆過ぎ(8月後半)に勉強を始めて、9月の採用試験に間に合わせた勉強法でもあります。
ということで、今回は数学の効率のよい勉強法を伝授することにしましょう。
ご承知の通り、一般曹候補生の数学の試験範囲は「数学Ⅰ」です。
でも数学Ⅰの範囲であるにもかかわらず、出題されない分野があります。
具体的には
☆集合と命題
☆データの分析
の2つの分野からの出題はありません(理由は割愛します)。
これらの部分を飛ばして勉強できるだけでも、かなりの時間短縮になります。
さて、ここからが本題です。
数学Ⅰの教科書や参考書を見ると、例外なくどの書物も
☆数と式
☆2次関数
☆三角比
の順に並んでいます。
1番目の「数と式」。ここでは式の展開や因数分解、ルートの計算などを扱います。
確かに「数と式」は高校数学を扱う上で必要なものなのですが、勉強すると結構な量になります。
急いでやっても、たっぷり1週間はかかります。
毎年私は、8月に一般曹候補生対策の夏期講習を開催します。
(今年はコロナの影響のため、開催するかどうかは未定です m(_ _)m )
その際、テキストの順番は
①2次関数
②三角比
③数と式
としています。
実は「2次関数」や「三角比」を学習する際には、さほど「数と式」を意識しなくてもドンドン勉強進めていくことができます。
それでいて、「2次関数」や「三角比」が終わる頃には、「数と式」の問題にも8割方対応できる学力が身についています。
つまり、極端に言えば、「2次関数」と「三角比」だけ勉強すれば、おおかた、数学の勉強は終りです。
2次関数に10日、三角比に10日かけ、最後の10日間でそれらの復習に回せれば十分ということになります。
(勿論、時間があるのであれば「数と式」の分野も勉強するようにしましょう)
続いて、「2次関数」の勉強法についてお話しします。
まずはじめに、2次関数を扱う際には、次の「3基本形」を使い分けられるようにしましょう。
(01)y=ax2+bx+c
(02)y=a(x-p)2+q
(03)y=a(x-α)(x-β)
一般的な問題については、(01)のタイプの式で解いていきます。
それに対して、頂点が与えられたり頂点が話題に上っているような問題では、(02)のタイプの式で解いていきます。
(03)の式は、x軸との交点が分かっているときに威力を発揮します。
まずはこれらの3つの式を、問題を通してしっかりと身に着けるようにしましょう。
次にやるべきことは「平方完成形」の式変形をマスターすることです。
「平方完成形」にするというのは、例えば
y=x2+6x+8
を式変形すると
y=(x+3)2-1
になるというものです。
この式変形は、2次関数を扱う上では絶対にマスターしなければいけないものです。
ところが、この式変形は、2次関数を勉強する上での「最大の山」であるにも関わらず、高校の教科書や参考書などでは、(基本的であるためか)詳しく解説しているものがほとんどありません。
ですので、独学で勉強する人は、友達や数学が得意だった会社の同僚に聞いて、何が何でもマスターできるようにしておきましょう。
「平方完成形」が何とかできるようになったら、次はその結果を用いて2次関数のグラフを描けるようにしましょう。
これら3つこと(「3基本形」「平方完成形」「グラフを描く」)が身につけば、あとは2次関数は勢いで何とかなるものです。
ですので、大切なのはこれらの3つをしっかりとマスターすることでます。
最後に「三角比」。
「三角比」は大きく2つに分かれます。
前半はsinθ、cosθ、tanθの定義を身に着けること。
そしてそれらの相互関係を理解して、基本的な三角比の式の扱いができるようになることです。
それに対して後半は、図形がメインです。
具体的には正弦定理・余弦定理の公式を用いて辺の長さや角の大きさを出せるようにする。
そしてもう1つ、面積の公式を身に着けること。
1ヶ月後の採用試験を目指す人も、9月に向けて勉強する人も、これからが本番です。
夢の実現に向けて頑張っていきましょう!