3年前の2月に訳あって大学を中退。
その後、すぐに当YSTに通ってきた男性がいました。
3月からマンツーマンによる指導が始まりました。
はじめのうちは計算ミスが目立っていましたが、回を重ねるごとにそういったミスはなくなっていきました。
その年の11月、彼は念願の陸上自衛官(一般曹候補生)への切符を勝ち取りました。
「専門学校を卒業したものの就職先がない。自衛官を目指すべく切り替えたのですが、もう何年も勉強をしていないんです。どういう勉強をさせればいいですか」
受話器の向こうのお父様の困惑した表情が、目に浮かぶようでした。
この方は、関東地方にお住まいです。
「お宅(当YSTのこと)が近くにあればすぐにでも通わせたいんですが、なにぶん、県外なもので。かといって直前の夏期講習会に参加となると、宿泊費だけでも大変で・・・」
その後、自宅で勉強に専念することにした息子さんは、無事、第1志望である一般曹候補生(陸上)の最終合格を勝ち取りました。
一般曹候補生の学科試験は、国・数・英。レベルは高1程度。
試験を受ける時点で高3の志願者は、まだ記憶に残っている内容が試験に出てきますので、倍率が高いなどいろいろな事情があるとはいえ、何とか対応できるものです。
でも、一般曹候補生の出願資格は、27歳未満。
毎年、全国の志願者の方とやりとりをしていると、「年齢的に今年が最初で最後の受験なんです」とか「数学や英語は5年ぶりに勉強するんですが大丈夫でしょうか」という相談を頂戴します。
私は常々この記事の中で、学科試験(1次試験)のことを中心に書いております。
自衛官は、入隊後は体力勝負な面もありますので、本来ならそちらの方こそ優先して伝えるべきなのかもしれません。
でも、そもそも自衛官を目指す方というのは、その時点で体力には自信があったり、体力勝負は覚悟しています、という人がほとんどです。
ですので、体力的なことは私は全然気にしていないんですね。
となると、気がかりなのは、倍率が高い1次試験になるんです。
ただ普段は、勉強のことを中心に書いているため、自衛官採用試験が大学入試と同じ扱いの「進学試験」と誤解されてしまうかもしれません。
自衛官採用試験は、就職試験ですので、
「一定レベルの学力+運動能力(というか体力)+やる気+人間性」
で総合的に判断されます。
要はバランスが重要ということですね。
「一定レベルの学力」は1次試験まで。
これらのことは是非、肝に銘じておいて下さい。
さて、「5年ぶりの勉強」に話を戻しましょう。
自衛官への転職を希望して、5年ぶりに勉強を始めた人。
大学卒業後に入隊することを希望して数年ぶりに数学を始めた人。
訳あって大学を中退。その後自衛官を目指すことにしたので、試験勉強をすることにした人。
専門学校を卒業したのはいいけれど、望んだ就職口がなく、自衛隊の門を開くことに決めた人。
高3生以外にも、毎年、本当にいろんな方が自衛官採用試験にチャレンジしています。
その際、ほとんどの志願者がぶち当たる壁が、「○○年ぶりの勉強」なんです。
そのような相談を受けた場合、真っ先に私がススメているのは「過去問を解くこと」。
1年分でもいいです。
自分がどれだけ覚えているのか、何が足りないのかをまずは客観的に把握することから始めましょう。
そうすることで初めて、本当に初歩的なことから勉強し直すべきなのか、対策問題をやりながらその都度、必要事項を身につけていけばいいのかがわかるんです。
そこが自衛官を目指すことにしたあなたのスタート地点です。
その後はご自身の状況に合わせてアンテナを広げ、必要な情報を集める。
そして、1次試験の対策に専念していくようにしましょう。
意志あるところに道は開ける。
自分の可能性を信じて頑張っていきましょう!
それでは今日はこの辺で。