昨年あたりから、例年になく高2生の教材申込みが増えています。
以前なら、ほとんどの高校生が6月の高総体が終わったあたりから、採用試験に向けて準備を始めるというのがパターンでした。
これは、高卒で就職を希望する人(というか親御さん)の意識が高くなっているということだと思います。
一方で、前回もお伝えしましたが、現在は民間の就職状況が良好なため、公務員の合格者が採用前に大量に辞退するというご時世でもあります。
加えて、市役所や国家Ⅲ種などが第1志望である公務員スクールの生徒が、本人の意志とは関係なく、自衛官採用試験を受けさせられている、という現実があります。
これまでは自衛隊を取り巻く環境さえ考えていれば、志願者が増えるか減るかが何となく分かったものです。
現状に当てはめれば、「有事」が起こりうる確率が以前とは比べものになりませんので、志願者数が減少傾向になっていてもおかしくありません。
ところが、自衛隊を取り巻く環境以上に、世の中もめまぐるしく変化しています。
先が読めない時代、混沌とした時代といっていいでしょう。
結果、自衛官採用試験も「めまぐるしく変わる世の中の流れの中で、先が読めない試験となっている」というのが私の素直な感想です。
この状況にとどめを刺したのが、5月の採用試験の復活です。
昨年、当YST塾の夏期講習に1人の大学4年生が通ってきました。
3月に採用試験の説明会に参加したそうなのですが、その際には一般曹候補生の試験は9月にあります、と言われたそうです。
ところが4月になった途端、今年は5月にも試験がありますよ、と言われたそうです。
全くの準備不足の中、彼は5月の試験を受けました。
結果は玉砕。
5月の試験も以前とは違い、合格者を定員の半数以上も出す県もかなりあったようです。
最終的に彼は、9月の採用試験で一般曹候補生に合格できたのでよかったのですが、ただでさえ混沌として先が読めないご時世なのに、5月の試験が復活したことで、「今年の採用試験も何が起こるか分からない」という状況になってきました。
厳密には、募集要項では「5月に採用試験がある」とは書かれていません。
その代わり、「9月以外にも設定する場合がある」と書かれています。
ただ、今の世の中の流れを考えれば、今年も5月に採用試験が行われると思っていた方が無難でしょう。
これらのことを踏まえて言えるのは、1次試験(学科試験)の合格点がアップするということです。
自衛官を第1志望に考えている人だけが受験するならいざ知らず、本人の意志とは関係なく受けるケースが多いことと、他の就職試験と併願しつつ他の民間会社が合格したらそちらに入社する人たちもバンバン受けますから、否が応でも学科試験は難化することになります。
何が何でも自衛官になりたい人からすればたまったものではありませんが、これが時代の流れです。
3年ほど前までは、自衛官が第1志望である志願者なら、何となく学科試験の勉強をしていれば何となく1次は突破できたものです。
でも男子志願者でさえ、昨年あたりから学科試験もしっかりと対策を立てていかないと1次試験の突破は難しい時代に突入しているようです。
学科試験では、高1の数学と英語(そして国語)が出題されます。
基本事項を一通り身につけて、試験問題に対応できるまでには、久しぶりに勉強を始める人なら最低4ヶ月、現在高3生・高2生の人でも3ヶ月は必要です。
今年、採用試験を受ける予定の人は、計画性を持って本番に臨むようにしましょう!
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