早いもので、2016年も半月が過ぎました。
今春から晴れて自衛官になる方もいる一方で、志かなわず、今年の9月の試験でリベンジを誓っている方もいらっしゃることでしょう。
特に女性志願者の場合、採用人数自体が少ないことから、「一般曹候補生の1次試験には合格したのに2次試験の合格者リストに載ることができなかった」、という方も多くいらっしゃると思います。
そこで今回は、自衛官を目指して就職浪人をする際の注意点を3つ、述べることにします。
女性は勿論、男性の方も是非参考になさって下さい。
まずは「繰り上げ合格」。
一般曹候補生で「繰り上げ合格」のお声が掛かれば何も問題はないのですが、任期制である自衛官候補生で「繰り上げ合格」となる場合があります。
自衛隊に入隊する際の入り口として、何が何でも「一般曹候補生」にこだわるのか、「自衛官候補生」でも大丈夫なのか、自分なりの考えをしっかりと持つことが大切です。
1年間(厳密には、あと数ヶ月間)対策勉強に専念したからといって、一般曹候補生の最終合格を勝ち取れる保証はどこにもありません。
その一方で、定年までの勤務を希望する場合には、自衛官候補生の「繰り上げ合格」で入隊すると、任期制であるために、定年までいられる保証がありません。
ご家族や場合によっては友人・知人とも話し合い、自衛官候補生の「繰り上げ合格」のお声が掛かった場合の対応を、事前にしっかりと練っておくようにしましょう。
因みに、半月ほど前にも書きましたが、前年までと違い、現在は「繰り上げ合格」はさほど多くない状況で推移しているようです。
また、次のような不安を抱いている方もいるのではないでしょうか。
「わざわざ私のために、自衛官候補生の繰り上げ合格を決定して下さったのに、これを断ったら一般曹候補生の試験で不利になるんじゃないかしら?」
結論としては、自衛官候補生の「繰り上げ合格」を断ったからといって、その後の採用試験で不利になることはありません。
断るか受け入れるかは志願者に与えられた権利ですので、きちんとした理由があれば、その後の試験には何ら影響はありません。
現に昨年の採用試験でも、繰り上げ合格のお話を蹴って一般曹候補生の対策に専念し、見事、11月の最終合格を勝ち取った女性(Sさん)もいらっしゃいます。
2つ目はスクールの選び方です。
公務員対策のスクールは、各地にたくさんあります。
でも、自衛官に絞ったスクールとなると、日本国内でも本当に数えるくらいしかありません。
場合によっては近場には全く存在しない、というケースも考えられます。
スクールに通う際には、何を最優先にするかでも変わってきます。
具体的には・・・
①何が何でも自衛官1本に絞って勉強をしたい
②自分の将来の職業には、他の公務員や場合によっては民間も選択肢に入っている
このどちらの立場にあるのかで変わってきます。
②の場合には、細かいことは気にする必要はありませんので、最寄りの公務員スクール等に通えば大丈夫です。
でも、何ながんでも自衛官という、①の選択肢しか考えていない方の場合、スクールをどこにするのかは、今後の人生を左右しかねない、本当に大切な要因となってきます。
公務員スクールに面談に行ったら「自衛官の対策もやっていますよ」と言われたのに、いざ4月になって授業が始まったら、ほとんどが警察・消防や市役所の対策ばっかりで、自衛官の対策については1週間に2時間しかやっていなかった、という相談を本当によく受けます。
この場合には、スクール見学に行った際、「自衛官だけの対策として、1週間にどれだけやっていただけるのか」「テキストはどういうものを使用するのか」を事前にしっかりと聞く必要があります。
その上で、「ここなら大丈夫」と納得をして、そのスクールに通うようにしましょう。
そして3つ目が「精神性」です。
やはり9月までの試験となると、長丁場となります。
夜布団に入って1人になると、ふと、不安がよぎることもあります。
「どうして私には繰り上げ合格の通知がこないのかしら」
「やっぱり繰り上げ合格で入隊すればよかったのかな」
「今年も最終合格を頂けないんじゃないかしら」
前述のSさんも、そんな1人でした。
ゴールデンウイークも終わり、梅雨時になろうかという時に、「繰り上げ合格」のお声がかかったそうです。
繰り上げ合格の話がなかった時はなかった時で、「どうして私には繰り上げ合格の話が来ないんだろう」と不安になり、その声がかかった時には「どうすればいいんだろう」と悩み、その話を蹴った後は、「これからどのようにしてモチベーションを維持していこうか」と悩んでいました。
そんな節目節目で、Sさんは必ず私にメールや電話で相談をよこしてきました。
私はSさんの考えを尊重して、1つずつ回答というか提案をするよう心がけました。
不安になった際、1人で考え、自分なりに解決するのも一手段です。
家族や知人、スクールの先生に悩みを打ち明け、相談に乗ってもらうという選択肢もあります。
いずれにしても、悩みや不安がよぎった際、どのように対処していけばいいのか、ということに対する答えを自分なりに「確保しておく」必要もあります。
1月中旬。
資格試験を目指してスタートを切る人が、1年で一番多い時節です。
あなたのライバルは、ひそかにスタートを切り始めているかもしれません。
今年の秋こそは見事栄冠を勝ち取り、ご自分の夢を実現できるよう頑張っていきましょう!