一般曹候補生の採用試験まで、あと2ヶ月という時期のこと。
地元の高校3年生の女子生徒(Sさん)から1本の電話が入りました。
「一般曹候補生を受験する予定で、YSTさんの夏期講習に通いたいんですが、まだ部活動(運動部)があるんです。」
いろいろ話を聞いていくと、10月半ばまで部活動があるようです。
しかも運悪く(?)、当YSTでの自衛官採用試験対策・夏期講習会の日程と部活動の遠征の時期が全てカブっているではありませんか。
部活動は毎日あるのですが、夏休みになると、午前だけとか午後だけの日もあるということで、何とかスケジュール調整をして、個人指導で授業を行うことにしました。
スケジュール的に夏休みにしか授業を入れられないのですが、夏休みには部活動の遠征も1週間ほどあるとのこと。
私もお盆休みを返上して、とにかく空いている日程をすべてSさんの個別指導にあてて、授業を組んでいきました。
時間に余裕があれば、解説だけではなく演習の時間も確保するようにしているのですが、Sさんの場合にはそんな余裕はありません。
とにかく、効率よい勉強をしていかないと試験範囲自体が終わりません。
となれば勿論、使用するテキストは「7日間完成!一般曹候補生」しかありません。
かなり乱暴ですが、数学は実質的に「2次関数」と「三角比」の2つしか扱いませんでした。
勿論これには理由があります。
新課程の「集合と命題」と「データの分析」については、募集要項から判断して出題されない可能性が高いこと(これは平成27年のことで、28年には適用されないと思います)。数と式については、「2次関数」と「三角比」の授業を進める際に、実質的に必要な内容が組み込まれているので、あえて省略をしたわけです。
でも、英語は削れるところがありません。
ということで、地道に1つずつ文法事項を解説していきました。
幸い当YSTでは、英語のテキストに準拠した文法演習冊子「トライアル」を作成していますので、その日に解説した単元のページを宿題にして、次の回までに解いてきてもらいました。
宿題と言えば、数学もテキストにある「類題集Let’s Try」を毎回やってきて頂きました。
素晴らしいのは、Sさんです。
毎日部活で忙しいにもかかわらず、毎回宿題をキチンとこなしてきます。
そんなSさの頑張りのおかげで、7月半ばから始まった個人レッスンも8月20日頃には何とか無事終わることになりました。
本来なら、そこから一般曹候補生の実戦問題集を取り上げる授業になるのですが、学校が始まると「部活動三昧」となるSさんのことですから、通ってくる余裕はありません。
ということで、問題集はSさんに任せることにして、分からない箇所があれば質問をして頂くことにしました。
11月。
一般曹候補生の最終合格の発表の日になりました。
事務所にSさんから電話が入りました。
受話器の向こうのSさんの声が弾んでいました。
Sさんは見事、第1志望の一般曹候補生(陸)の最終合格を勝ち取ったのです!
高校生であれば部活動、転職を希望している人なら今現在の業務。
万全の態勢で採用試験の対策を行いたいのは山々ですが、それぞれが何かと忙しいものです。
それでも成功する人というのは、時間を「作って」、自分の目標に突き進んで行きます。
そして、そうでない人は、忙しさの波に飲まれていきます。
勿論、どちらの道を歩んでいくかは、あなた次第です。
それでは今日は、この辺で。