先日、防衛省より一般曹候補生の募集要項が発表されました。
http://www.mod.go.jp/gsdf/jieikanbosyu/pdf/y/28soukouy.pdf
私が真っ先に見たのは、数学の試験範囲です。
試験科目はご承知の通り国語・数学・英語になっています。
一般曹候補生を目指している人ならば、どこかで聞いたことがると思いますが、平成26年度と平成27年度の試験では、数学は旧課程履修者と新課程履修者により有利・不利が生じないような配慮がなされていました。
今年はどうなるのか?
真っ先に試験範囲に目を向けました。
すると・・・
「新旧学習指導要領履修者のいずれかに不利にならないことを基本とします。」
との文言があるではありませんか。
おととしは新課程履修者が高3生だったこともあり、このような配慮がなされるのは、ごく自然なことです。
対象は異なりますが、大学入試のセンター試験でも同様の措置がとられています。
一般曹候補生の1次試験では、2年目の27年も、引き続き同様の措置がとられました。
さすがに3年目の今年はそのようなことはあないだろうと思っていたのですが、今年も
「新旧学習指導要領履修者のいずれかに不利にならないことを基本とします。」
という但し書きが書かれていました。
念のため何度も「年度」を確認しましたが、間違いなく「平成28年度」でした。
因みに「新旧学習指導要領履修者のいずれかに不利にならないことを基本とします。」という表現、わかりづらいですよね。
いかにもお役所の文書といった感じがします。
簡単に言い換えれば、
「新課程、旧課程のどちらにも不利にならないような問題を出します」
ということです。
このことにより、国語と英語は特に影響を受けることはないのですが、数学が多少の影響をうけることになります。
既にこのブログでも何回もお伝えしていることですが、試験範囲は非常に大切なことですので、あらためて確認するようにしましょう。
「集合と命題」、「データの分析」という分野があります。
この2つの分野は、新課程の内容に含まれますが、旧課程には含まれません。
また、過去問を解いたことのある人ならお分かりだと思うのですが、平成25年までは「相似な図形同士の面積比・体積比」、「球の表面積・体積」などの問題が出されていましたが、平成26年以降は出題されていません。
これらの分野は旧課程では数学Ⅰに含まれていたのですが、新課程では中学校の内容になっているんです。
(注:ということは一般曹候補生では出題されませんが、自衛官候補生では出題される可能性があることになります)
募集要項において
「新課程、旧課程のどちらにも不利にならないような問題を出します」
と書かれているということは、片方の履修者だけが学習している「集合と命題」、「データの分析」、「相似な図形同士の面積比・体積比」、「球の表面積・体積」は出題されない、ということを意味します。
これから一般曹候補生用の勉強をする人は、しっかりと肝に銘じておきましょう。
なお、「新旧学習指導要領履修者のいずれかに不利にならないことを基本とします」の「基本とします」という表現には注意が必要です。
どちらかが不利になるような問題は絶対に出しませんよ、ということにはならないんです。
90%以上の確率でどちらかが不利になるような出題はないと言えるのですが、「基本とします」ということは100%ではないんですね。
ですので、時間・学力に幾分余裕のある人は、「集合と命題」、「データの分析」、「相似な図形同士の面積比・体積比」、「球の表面積・体積」も学習しておくとよいでしょう。
因みに当YSTの教材では、「集合と命題」、「データの分析」、「相似な図形同士の面積比・体積比」、「球の表面積・体積」も一通り扱っています。
これらの範囲を勉強するかしないかは、志願者次第です。
繰り返しになりますが、時間・学力に余裕があるのであれば、積極的に勉強していくようにしましょう。