ある年の3月下旬、自衛官志願者のお父様からお電話を頂戴しました。
高校を卒業して4年。その年の一般曹候補生の試験を受けるとのことでした。
「5月の試験を目指しますか」とお聞きしたところ、
「いえいえ時間もありませんので、9月の試験に合わせてお願いしたいと思います」とのことでした。
志願者のMさんは、地元の私立女子高の出身。中学も同じ系列の学校だったので、高校受験を経験していません。
しかも高校のカリキュラムの関係で、数学は高1までしか授業がありませんでした。実に6年近く数学を勉強していません。
専門学校生でもあるMさんは、幸いなことに英語は得意とのことでした。
ということで、4月から数学の特訓が始まりました。
お父様の意向では「9月の試験を目指したい」ということでしたが、せっかく英語ができるので、「1ヶ月半、集中して数学をやれば、5月の試験でいけるのではないか」と、私は戦略を立てました。
勿論、Mさんには専門学校の勉強もあります。でも、何とか時間をやりくりして頂いて、週2回の通塾となりました。
効率良く勉強をして頂くため、テキストは「7日間完成! 一般曹候補生」を用います。
数学が苦手という割には、解説をするとしっかりと基本事項を理解してくれます。どうやら数学が「苦手」というよりは、6年近く数学から遠ざかっていたので、数学「不安」ということのようでした。
一般曹候補生の数学(数学1)は、教科書の例題・練習問題がしっかりと理解できていれば、8割は取れる問題です。
一方、本屋さんにある「数学1」の問題集は、多くの場合、大学受験を想定して作られています。そのため、漠然と「数学1」の問題集を購入してきても、あまりにもレベルに差があります。
高校生に人気のある「チャート式」問題集は、何色であっても一般曹候補生受験にはレベルが高すぎます。
そのため、市販の問題集を購入する場合には、基本的な問題集や参考書を選択することをオススメします。
イメージとしては、6年間、数学の勉強から遠ざかっていたMさんでも、スムースに勉強できるような問題集、ということになります。
後日談です。Mさんは5月の試験で見事、第1志望である一般曹候補生(海上)の最終合格を勝ち取りました。
さあ、次はあなたの番です。5月の試験まであと60日。
一般曹候補生に最終合格するためには、まずは学科試験を突破する必要があります。
慌てず、1つずつ基本事項を身につけて、本番に臨んでいきましょう!