元々、9月の一般曹候補生を目指していたのに、急遽5月にも試験があるということで、どうしようか迷っている人もいることと思います。
そこで今回は、5月の試験の倍率等がどのようになるのかをシミュレーションしてみました。
念のため付け加えておきますが、5月27日の一般曹候補生・採用試験には、高3生は出願できません。
また、陸上・航空は5月27日に試験がありますが、海上を志願する人は試験がありませんので、注意しておきましょう。
実は、一般曹候補生を志願する人に対して5月に試験を行うのは、今回が初めてではありません。
平成21年から3年間、陸・海・空のすべてで行われておりました。
まずは平成21年のデータをみてみましょう。
(21年は5月の試験が初めて導入された年ですので、今年の状況と極めて似通っています)
「倍率/志願者数/採用数」の順で紹介します(出店元:防衛白書)。
☆陸上男子
8.9倍/23,660人志願/2,656人採用
☆陸上女子
31.3倍/3,791人志願/121人採用
☆航空男子
12.6倍/8,744人志願/695人採用
☆航空女子
19.3倍/1,487人志願/77人採用
因みに、平成27年と当時の21年の志願者数を並べて見てみましょう。
☆陸上男子=「11,999人(H27)/23,660人(H21)」
☆陸上女子=「1,940人(H27)/3,791人(H21)」
☆航空男子=「5,602人(H27)/8,744人(H21)」
☆航空女子=「1,368人(H27)/1,487人(H21)」
航空女子を除けば、明らかに平成21年の方が志願者数が多かったことが分かります。
でも、本当にそうなんでしょうか?
仮にAさんという志願者がいたとします。
Aさんが5月の試験と9月の試験の両方を受けたとしましょう。
この場合、志願者数は「1人」なのでしょうか、それとも「2人」とカウントされるのでしょうか。
答えは「2人」なんです。
つまり、防衛白書に掲載されている志願者数は、「実人数」ではなく「のべ人数」なんです。
一方、5月の試験と9月の試験、採用者数の割合はどうなるのでしょうか。
仮に定員が100名だとしましょう。
自然に考えれば、5月と9月で「50:50」なのかなと思うのですが、実はそうではありません。
5月は高3生が受験できませんので、その分の枠を確保しておかなければいけません。
当時は「15:85」とか「10:90」などという噂が流れていました。
要は5月の採用枠は極めて少ないわけです。
そしてもう1つ。
平成21年の志願者数は「のべ人数」でカウントされていたわけですが、「実人数」でみた場合に5月と9月はどれくらいの割合だったのでしょうか。
ここでは詳細を省きますが、『めざ自通信』に詳しく書いておりますので、そちらをご参照下さい。
以上のことを考慮して、平成21年5月の採用状況をシミュレーションすると以下の通りとなります。
☆陸上男子=20.5倍
☆陸上女子=72.6倍
☆陸上合計=22.7倍
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☆航空男子=29.0倍
☆航空女子=42.8倍
☆航空合計=30.4倍
当時はリーマンショック直後ということもあり、就職希望者の公務員志向が強かったという影響もありますが、陸上で20倍強、航空に至っては30倍、そして陸上女子に限ると70倍というとんでもない数値であったことがわかります。
「何となく5月の試験を受けてみようかな」という感覚では、最終合格はおろか、1次試験すら合格することはできないでしょう。
5月の試験を真剣に考えている人は、早めに対策を練って臨みたいところです。