「高校で今、公務員対策の講座をやって頂いてるんですが、なんか迷ってるんです...」
昨年の今頃のことです。
自衛官対策の授業中に生徒(Aさん;高2生)が質問をしました。
すかさず私は、何を迷っているのかAさんに聞いてみました。
Aさんは、忙しい部活の合間を縫って、放課後の公務員対策講座に出ているということでした。
今は、数的推理などを中心にやっているととのこと。
警察や消防、市役所などの学科試験を受ける場合には必修の科目ですね。
ところが、自衛官が第1希望のAさんは、授業を受けるにつれ思ったそうです。
「これって自衛隊の試験に関係ないんじゃないかしら?」
それで冒頭の質問になったわけです。
「学校の先生は、自衛隊の試験にも役立つから受けるようにっておっしゃるんですけど、どうなんでしょう?」
ということでした。
公務員が第1希望であり、自衛官は勿論、警察・消防、市役所、国家Ⅲ種など、一連の公務員を受験する場合には、数的推理のようなものは今からコツコツやっておくべき科目です。
でもAさんは「自衛官以外考えていない」ということでした。
ということで、私はAさんに
「学校の先生には申し訳ないけど、その授業はAさんが感じている通り、関係ないですよ」
とアドバイスをしました。
「課外授業は出席しなくてもいいものなので、事情を先生に説明して、出席しないようにします」
授業の初めは「どうしよう」と悩んでいたAさんでしたが、私のアドバイスを受けて決意を新たにしたようです。
その前の年にも、違う高校の生徒(Bくん;3年生)から同じような質問を受けました。
Bくんは、学校の方針でその課外授業を休むことはできないということでした。
そのため、先生に事情を説明して、課外授業中にYSTの自衛官用テキストを「内職する」許可を得て勉強をしていたそうです。
さらにその前年、浪人1年目の女性(Cさん)からお電話を頂戴しました。
「現在、仙台の△△スクールに通っているんですが、今受けている授業が自衛官採用試験にはムダが多すぎるような気がしてきて...」
そんな内容のお電話でした。
Cさんは、▲十万円という高い授業料を払った△△スクールの講座を捨て、翌週から当YSTに通ってくるようになりました。
誤解のないように言いますが、私は一般の公務員用の勉強を否定しているわけではありません。
ただ、「自衛官を第1志望にしていて、他の公務員は受ける意志がない」場合には、他の公務員用の勉強はあまりにもムダが多いんです。
というか、害になってしまいます。
さらに英語の場合には、一般の公務員の試験だと文章理解で長文(といっても5行程度ですが)の形式で2問ほどしか出てこないので、公務員対策講座において英語の授業、それも英文法が細かく取り上げられることは皆無といっていいでしょう。
でも一般曹候補生には、高1までの英文法が一通りまんべんなく出てきますし、これが学科試験の3分の1も占めることになりますので、自衛官が第1志望の場合には、がっつりと英語(英文法)を勉強しないといけないんです。
最後に...
Aさんとの質問のやりとりの最後に、私はあと一言アドバイスすることを忘れませんでした。
「自衛官の試験に特化した勉強をするということは、他の公務員の科目を捨てることになります。後戻りできなくなりますので、これからは今まで以上に心して勉強しないといけませんよ。」
新学期に向けて、勉強の環境を考えている方もいらっしゃると思います。
参考にしていただければ幸いです。