今年の試験を予想するために、まずは昨年までの状況を振り返ってみましょう。
昨年の試験においては、当然ですがコロナの影響は全くありませんでした。
具体的には、景気がいいこと、更には少子化の影響も手伝って、自衛官に限らず他の公務員や民間企業においても慢性的に人材が不足している状況が続いておりました。
自衛官や警察などの公務員が受験資格の年齢制限を上げた理由もそこにあります。
ちまたでは、若い人材を各企業が「奪い合っている」状況が続いておりました。
景気がいい時は、往々にして多くの若者が民間企業に就職することになります。
そのため数少ない若者たちは、こぞって民間企業に就職していくという図式になっていました。
つまり昨年までの数年間は、公務員志望の若者が極端に少ない状況が続いておりました。
記憶にある人もいると思いますが、昨年・一昨年は地方公務員のなり手が少なく、ニュースになることもありました。
でも別の見方をすれば、(公務員である)自衛官志願者も少なかったわけですので、本当に自衛官になりたい人には、実は、競争率が低くなっていて入りやすい状況だったんです。
では、今年はどうでしょう。
コロナの影響で、様々な企業が痛手を負い始めています。
残念ながら日本の景気はここしばらく悪くなることが予想されます。
業種によっては既に、来春の採用を見送ると宣言しているところもあります。
このようなご時世では、景気に左右されることなく「同じ人数」を採用する公務員に人が流れていきます。
自衛官も公務員ですので、例外なく今年の自衛官採用試験の倍率は高くなることが予想されます。
先週あたりから、高3生(保護者の方も含めて)からのお問い合わせが増えてきました。
昨年と比べると、実に6倍ぐらいの件数になっています。
例年であれば、部活動が終わりって一段落し始める6月末あたりから、高3生からの問い合わせが増えてくるのですが、今年はこのご時世ですので、高3生も早めに動いているようです。
ただでさえ倍率が高くなることが予想される上に、早めにスタートを切り出す高3生が多くなっていることから、昨年と比べれば、1次試験(学科試験)の「合格最低点」も間違いなく高くなるはずです。
そのため今年9月の試験を目指して勉強する人は、高校3年生・専門学校生・大学4年生・転職を考えている人も十分な対策をとって本番に臨んでいきたいところです。